柴犬の飼い主さんの中には、トリミングサロンで断られた経験がある方がいるのではないでしょうか。
実は、柴犬の特性ゆえにトリミングを敬遠されるケースが少なくないのです。
トリミングは柴犬の健康と衛生を維持する上で欠かせないケアです。
今回の記事では、柴犬がトリミングサロンで断られる理由と、その対策方法について詳しく解説します。
さらに、自宅でできる柴犬のトリミングや、適切なトリミングの頻度についても紹介します。
- 柴犬がトリミングサロンで断られる理由とその対策方法
- 自宅でできる柴犬のトリミングケアの方法と注意点
- 柴犬に適したトリミングとシャンプーの頻度
柴犬がトリミングサロンを断られる理由
柴犬がトリミングサロンを断られる理由は、柴犬の性格や特徴に関係していることが多いです。
※本章で述べている性格や特徴には個体差があります。
【理由1】警戒心の強さと攻撃性
柴犬は飼い主や家族には忠実ですが、それ以外の人間には警戒心が強く、防衛本能が高い犬種です。
柴犬はトリマーに対して攻撃的な行動を取ることがあり、トリミングするのが難しい場合があります。
【理由2】水が苦手
柴犬の中には、水を苦手とする子も多くいます。
シャンプーやお風呂を嫌がり、トリミングに難色を示すことがあります。
【理由3】過去のトラウマ
自宅でのシャンプー経験が悪かった場合、その恐怖心がトリミングサロンでも影響することがあります。
【理由4】高齢犬
トリミングは、高齢の柴犬にとって体力や精神面での負担が大きくなります。
トリミング中に体調を崩すリスクがあるため、断られることがあります。
【理由5】しつけができていない
大人しくしていることや他者に触られても吠えたり噛んだりしないなど、最低限のしつけができていない柴犬は、トリミングを断られることがあります。
トリミングサロンのサービス内容と選び方
そもそもトリミングとは
トリミングとは、愛犬の毛を整えることを主な目的とし、様々なケアを含む総合的な美容サービスを指します。
そして、トリミングサロンでは、愛犬の健康状態や性格に合わせて、適切なサービスを提供してくれます。
それでは、トリミングサロンで行われる主なサービスを見ていきましょう。
トリミングサロンの主なサービス
トリミングサロンの内容は、店舗によって異なりますが、一般的には以下のようなサービスが提供されています。これらの作業を専門のトリマーが行います。
- カット
- 愛犬の毛を整え、衛生的に保つために行います。
- シャンプー
- 愛犬の毛や皮膚を清潔に保つために行います。
- ブラッシング
- 毛のもつれや抜け毛を取り除くために行います。
- 爪切り
- 爪が伸びすぎないように定期的に切ります。
- 耳掃除
- 耳の中を清潔に保ち、感染症を予防するために行います。
- 肛門絞り
- 肛門腺の分泌物を取り除くために行います。
- 歯磨き
- 歯垢や歯石を取り除き、口臭を予防するために行います。
次に、トリミングサロンを選ぶときに注目すべき点を見ていきましょう。
トリミングサロンの選び方
トリミングサロンを選ぶの際は、以下の点に注目しましょう。
- トリマーの経験と技術力
- 衛生管理の徹底
- 愛犬の性格や特徴に合わせた対応
- アフターケアのサポート体制
そもそも柴犬にトリミングは必要なのか
柴犬にもトリミングは必要です。
ただし、他の犬種と比べてカットの必要性は低いと言えます。
なぜなら、柴犬はダブルコートと呼ばれる二層構造の被毛のため、一定の長さ以上には伸びないためです。
それでは、なぜ柴犬にトリミングが必要なのかを見ていきましょう。
【理由1】衛生面の維持
柴犬は毛が密集しているため、汚れや異物が付着しやすくなっています。
定期的なシャンプーやブラッシングにより、被毛や皮膚を清潔に保つことができます。
【理由2】抜け毛の管理
柴犬は抜け毛が多い犬種です。特に換毛期には大量の抜け毛が発生します。
こまめなブラッシングを行うことで、抜け毛を取り除き、被毛の健康状態を維持することができます。
【理由3】部分的なカットの必要性
柴犬の被毛は基本的にカットの必要がありませんが、足裏の毛やお尻周りの毛は定期的にカットすることをおすすめします。
これにより、衛生面の向上と歩行時の滑り防止効果が期待できます。
【理由4】健康チェックの機会
トリミングの際には、愛犬の皮膚や被毛の状態を詳しくチェックすることができます。
異常がある場合は、早期発見・早期治療につなげることができるでしょう。
柴犬のトリミングは、カットよりもシャンプーとブラッシングが中心になります。定期的なトリミングを行うことで、愛犬の健康と衛生を維持することができるのです。愛犬のために、適切なトリミング習慣を身につけましょう。
トリミングサロンのメリットとデメリット
柴犬をトリミングサロンに通わせることには、メリットとデメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
メリット
- 専門的な技術
- トリミングサロンには、専門的な知識と技術を持ったトリマーがいます。愛犬の性格や体調に合わせて、適切なトリミングを行ってくれます。
- 設備の充実
- トリミングサロンには、シャンプー台や大型ドライヤーなどの専用設備が整っています。自宅では用意できない設備を使って、効率的なトリミングが可能です。
- ストレス軽減
- 自宅でのトリミングは、愛犬にとってストレスになることがあります。トリミングサロンでは、経験豊富なトリマーが愛犬に合わせて対応してくれるため、ストレスを最小限に抑えることができます。
- 時間の節約
- 自宅でトリミングを行うには、準備や後片付けに時間がかかります。
- トリミングサロンに任せることで、その時間を他のことに充てることができます。
- 健康チェック
- プロのトリマーは、トリミング中に皮膚や被毛の異常を発見できる可能性が高いです。
- 社会化の機会
- 他の犬や人との接触は、柴犬の社会性を育むのに役立ちます。
デメリット
- 費用がかかる
- トリミングサロンを利用するには、一定の費用がかかります。定期的に通わせると、経済的な負担が大きくなる可能性があります。
- 予約が必要
- 人気のトリミングサロンは予約が混み合うことが多いです。希望の日時に予約が取れないこともあるでしょう。
- 移動のストレス
- 愛犬によっては、車での移動やサロンでの待ち時間がストレスになることがあります。
- トリマーとの相性
- 愛犬とトリマーの相性が合わないこともあります。トリマーが変わると、愛犬が不安になってしまう可能性があります。
- 個別ケアの制限
- 自宅でのトリミングほど、個々の犬の特定のニーズに細かく対応できない場合があります。
- 感染症のリスク
- 他の犬と接触する機会が増えるため、感染症のリスクが若干高まる可能性があります。
自宅とトリミングサロンの使い分け
メリット・デメリットを踏まえた上で、愛犬に合ったトリミング方法を選ぶことが大切です。
自宅とトリミングサロンを上手に組み合わせて、愛犬の健康と美容を維持しましょう。
例えば、
- 自宅では、ブラッシングやシャンプー
- トリミングサロンでは、カットや専門的なケア
といった使い分けもいいと思います。
愛犬のために、最適なトリミング方法を見つけていきましょう。
我が家では、ブラッシングはサロンでやってもらい、シャンプーやカットはサロンにお願いしています。
トリミングサロンで断られないための対策
柴犬がトリミングサロンで断られないためには、飼い主による適切な準備と対策が欠かせません。
健康状態の確認と維持
柴犬の健康状態を確認し、適切に維持することは、トリミングサロンで断られないための重要な対策です。
- ワクチン接種
- 狂犬病ワクチンなど、法律で義務付けられているワクチン接種をしっかりと行いましょう。ワクチン接種を怠ると、安全性が確保できないため、サロン側から断られることがあります。
- 持病の管理
- 持病がある場合は、動物病院併設のトリミングサロンを利用することを検討しましょう。持病によるリスクを考慮して、通常のサロンでは断られることがあります。
行動の改善
柴犬の行動を改善することも、トリミングサロンで断られないための重要な対策です。
- しつけの徹底
- 吠え癖や噛み癖がある場合は、ドッグスクールに通うなどしてしつけを完了させましょう。しつけが不十分だと、トリマーや他の犬に危険が及ぶため、断られることがあります。
- 水やドライヤーへの慣れ
- 水やドライヤーに対してパニックを起こす犬は、怪我やストレスのリスクがあるためトリミングを断られることがあります。家庭で少しずつ慣れさせることが重要です。
高齢犬への配慮
高齢の柴犬は、トリミングサロンで断られる可能性が高くなります。適切な対策が必要です。
- 高齢犬対応のサロン選び
- 年齢制限を設けていないサロンや、高齢犬向けのメニューがあるサロンを選びましょう。高齢犬は体力や健康状態に配慮したトリミングが必要です。
- 事前カウンセリング
- 初回利用時には、健康状態や過去のトリミング経験について詳しくカウンセリングを受けることで、サロン側も安心して受け入れてくれる可能性が高まります。
サロンとのコミュニケーション
トリミングサロンとのコミュニケーションを良好に保つことも、断られないための重要な対策です。
- 事前相談
- トリミング前に犬の性格や健康状態について詳しく伝え、サロン側と良好なコミュニケーションを築くことが大切です。これにより、柔軟な対応を期待できます。
- 信頼できるサロン選び
- 犬に優しく接し、飼い主とのコミュニケーションを大切にするサロンを選ぶことで、不快な思いをすることなく安心して預けることができます。
愛犬の健康状態や行動、年齢に配慮しながら、サロンとのコミュニケーションを大切にすることで、円滑にトリミングを進めることができるでしょう。愛犬のために、できる対策を実践していきましょう。
柴犬に適したトリミングの頻度
柴犬に適したトリミングの頻度は、愛犬の健康を維持する上で重要なポイントです。
部分カットの頻度
柴犬は、基本的にカットの必要がない犬種です。
ただし、足裏の毛とお尻周りの毛は、1〜2ヶ月に1回程度カットするのが良いでしょう。
我が家は月1回のペースでカットしています。
ブラッシングの頻度
ブラッシングは非常に重要です。
毎日のブラッシングにより、抜け毛や汚れを取り除き、被毛を良好な状態に保つことができます。
シャンプーの頻度
シャンプーの頻度は、月に1回程度が適しています。
ただし、皮膚トラブルがある場合は、獣医師と相談して適切なシャンプー頻度を決めましょう。
自宅でできる柴犬のトリミング
柴犬のトリミングは、自宅でも可能です。トリミングの手順や道具について見ていきましょう。
いくつか注意すべき点もありますので合わせて解説します。
自宅でのトリミング手順
- ブラッシング
- 抜け毛やもつれを取り除きます。
- シャンプー
- 被毛を濡らし、低刺激シャンプーで洗います。
- ドライング
- タオルで水分を拭き取り、ドライヤーで乾かします。
- 足裏の毛のカット
- コームで整えた後、肉球からはみ出ている毛をハサミまたはバリカンでカットします。
- お尻周りのカット
- 尻尾を持ち上げて肛門周りの被毛をハサミまたはバリカンでカットします。
- 爪切り
- 必要に応じて爪を切ります。
- 耳掃除
- 耳の入り口付近を優しく拭き取ります。
自宅でのトリミングで必要な道具
自宅でのトリミングに必要な道具は以下の通りです。
- スリッカーブラシ
- 毛玉を解いたり、抜け毛を取り除くために使用します。
- コーム
- 毛並みを整えるために使用します。目の細かいものと粗いものが一体になった両目コームが便利です。
- ハサミ
- カットバサミとスキバサミがあります。小さいカットバサミが使いやすいです。
- バリカン
- ハサミよりも安全で、特に足裏やお尻周りのカットに適しています。
- 柴犬用低刺激シャンプー
- 被毛と皮膚を清潔に保つために使用します。
- タオル
- シャンプー後の水分を拭き取るために使用します。
- ドライヤー
- 被毛を乾かすために使用します。
- 爪切り
- 爪の長さを適切に保つために使用します。
- 耳掃除用のコットン
- 耳の入り口付近を清潔に保つために使用します。
自宅でのトリミング中の注意点
事前準備
- 愛犬の体調を確認し、異常がないことを確認する
- 必要な道具を準備し、安全な環境を整える(滑り止めマットなど)
- バリカンを使用する場合は、事前に音に慣れさせる
トリミング中
- 愛犬にケガをさせないよう、細心の注意を払う
- 愛犬が嫌がったり落ち着かない場合は無理をしない
- リラックスさせるため、声かけなどのスキンシップを行う
- 皮膚や被毛に異常がないかチェックする
シャンプー
- シャンプー前にブラッシングを行い、余分な毛を取り除く
- 35~37度程度のお湯で体全体を濡らす
- 犬用のシャンプー剤を使用し、泡立ててから使用する(直接皮膚につけない)
- シャンプー剤が残らないようしっかりとすすぐ
ドライング
- タオルで水分を吸い取る
- ドライヤーで完全に乾かす
日頃のケア
- 定期的なブラッシングなどのグルーミングを行い、愛犬が触られることに慣れるようにする
まとめ
柴犬のトリミングは、愛犬の健康と衛生を維持するために欠かせないケアです。
しかし、柴犬の特性ゆえにトリミングサロンで断られるケースも少なくありません。
その理由には、柴犬の警戒心の強さや水嫌い、高齢や健康状態などが関係しています。
トリミングサロンで断られないためには、事前の準備や対策が重要です。
また、自宅でのケアも柴犬の美容と健康を守る上で欠かせません。
愛犬の被毛や皮膚を清潔に保つために定期的なトリミングをしっかり行なっていきましょう。