犬と飼い主の心拍はシンクロする|柴距離でも心は繋がってた

リビングのベッドでこちらを見ている黒柴と飼い主の足元

うちの豆柴は、わりと寄ってくるタイプだ。

ソファに座っていると、気づいたら足元にいる。胸元をそっと撫でてやると、最初だけちょっと「ん?」という顔をするけど、すぐに「もっと」モードに入ってぐいぐい近づいてくる。

かと思えば、自分のベッドに戻ってこっちをチラッと見ながら寝落ちしている。距離感がつかめそうでつかめない。それが柴犬だ。

先にこの記事のポイントだけ。2024年にフィンランドの大学が「犬と飼い主の心拍リズムは同期する」という研究を発表した。しかも、同じ空間でのんびり過ごしているときに一番強くシンクロしたらしい。隣のベッドで寝てるだけのあの時間にも、心臓は同じリズムを刻んでいた可能性がある。

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犬と飼い主の心臓が「同じリズム」になる研究

2024年、フィンランドのユヴァスキュラ大学が面白い実験をした(Koskela et al., 2024, Scientific Reports)。日本の麻布大学との共同研究だ。

犬と飼い主30組の胸にセンサーをつけて、心拍のリズムを同時に記録。遊ぶ、撫でる、トレーニングなど6パターンのやりとりで、心拍がどう動くかを調べた。

結果がちょっと意外だった。

心拍が一番シンクロしたのは、ボール遊びでもトレーニングでもなく、なにもしていない休憩時間。飼い主がソファでぼーっとしていると、犬もリラックスして心拍のリズムが揃った。

研究チームいわく、「運動量が揃っただけじゃない。感情が連動している」。

さらに、よその犬と飼い主の組み合わせでは同期しなかった。毎日一緒に暮らして信頼関係がある相手でないと、心拍はシンクロしない。つまり「絆」が数値に出たということだ。

うちの豆柴が「来てほしいとき」に来る理由

この研究を知って、腑に落ちたことがある。

筋トレでヘトヘトになってソファに座り込んでいると、うちの豆柴がなぜかそばに来ることがある。普段は自分のベッドで寝ているのに、すっと足元まで来て柴タッチしてくる。

「なんかあった?」とでも言いたげな顔で。

僕がぐったりしているとき、心拍のリズムはいつもと違う。犬はそれを感じ取っていて、「いつもと違う」から寄ってきていたのかもしれない。

目が合うだけで「愛情ホルモン」が出ている

犬と飼い主の絆を裏付ける研究は、心拍だけじゃない。

2015年、麻布大学の永澤美保先生らが科学誌Scienceに発表した論文がすごかった。犬と飼い主が見つめ合うだけで、お互いのオキシトシン(「愛情ホルモン」と呼ばれる物質)が上がることを証明したのだ。

これ、実はお母さんと赤ちゃんの絆とまったく同じ仕組みらしい。犬が1万年以上かけて手に入れた、人間との特別なつながり方だ。ちなみにオオカミと人間ではこの現象は起きなかったという。

うちの豆柴が離れた場所から「じーっ」とこっちを見ているとき、あの視線だけでお互いのオキシトシンは上がっている。

夫婦喧嘩のとき「気まずそうな顔」をする理由

いい話だけじゃない。感情のシンクロには裏面もある。

スウェーデンの研究(Sundman et al., 2019, Scientific Reports)で、飼い主のストレスが高い時期は犬のストレスも高くなることが確認された。

思い当たる節がある。以前、妻と口論になったとき、うちの豆柴がなんとも言えない顔をしていた。

耳を後ろにぺたんと倒して、目をそらして、「自分は関係ないですけど……」みたいな空気。あれはきっと、僕たちのストレスをそのまま受け取っていたのだ。

逆に言えば、飼い主が穏やかでいることが一番の「犬孝行」になる。帰宅したときにうちの豆柴が全力で迎えに来てくれるのも、「安心」がシンクロしているからだろう。

一緒にいるだけで、それはもう「絆」

今回の研究をざっくりまとめるとこうなる。

研究 わかったこと
ユヴァスキュラ大学(2024) 犬と飼い主の心拍は、のんびり過ごしているときに一番シンクロする
麻布大学・永澤先生ら(2015) 見つめ合うだけでお互いの「愛情ホルモン」が上がる
リンショーピング大学(2019) 飼い主のストレスは犬にもうつる

柴犬は気分屋だ。呼んでも来ないし、ため息をついて素通りすることもある。

でも、同じ部屋でゴロゴロしているだけで、心臓は同じリズムを刻んでいる。

うちの豆柴がベッドからこっちをチラッと見た。「なに見てるの」って顔をしている。

大丈夫、もう知ってるよ。その距離でも、ちゃんと繋がってるんだよね。

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この記事を書いた人

3歳の柴犬オーナー歴。愛犬を溺愛中。柴犬との暮らしで感じるリアルな「あるある」と、飼い主目線で調べた役立つ情報を発信します。モットーは「柴犬のことは柴犬オーナーが一番わかる」。

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