先日、柴犬を飼っている友人が初めてキャンプに行ってきたそうです。「柴犬とキャンプ、絶対楽しいはず」と意気込んで準備万端で出発したらしいのですが、結論から言うと、楽しかったそうです。ただし、想定通りに進んだことはほぼゼロだったとのこと。テント設営中にペグを咥えて走り去る柴犬。匂い嗅ぎが止まらなくてサイト内を永遠にパトロールする柴犬。焚き火の前で飼い主にピッタリくっついてくる、普段は柴距離全開のあの柴犬。この記事は、そんな友人の初キャンプの一部始終を紹介します。うちの豆柴ともいつかキャンプに行ってみたいなと思いながら聞いていました。これから柴犬とキャンプに行こうとしている方、きっと参考になる部分があると思います。
出発前の準備で早くも波乱の予感
キャンプに行くと決めてから、まずサイト選びに悩んだそうです。知人に「初めてなら絶対ドッグフリーサイトがいいよ」と言われ、柵付きのサイトを予約。これが大正解だったとのこと。柵で囲われているから、リードなしで自由にさせてあげられるし、万が一柴ダッシュが発動しても敷地の外に飛び出す心配がない。周囲も犬連れの方ばかりなので、多少吠えてもお互い様の雰囲気があるんです。
問題は荷物だったそうです。普段の散歩グッズに加えて、キャンプ用の持ち物がなかなかの量になります。
| 持ち物 | なぜ必要だったか |
|---|---|
| 予備のリード・首輪 | 実際、木の枝にリードが引っかかってカラビナが曲がったそう。予備があって本当に助かったとのこと |
| いつものフード・飲み慣れた水 | 現地の水を出したら一口嗅いで「プイッ」。持参した水はがぶ飲みしてくれた |
| クレートorソフトケージ | 夜の就寝時に必須。これがないと落ち着かなくて一晩中テント内をうろうろする |
| うんち袋・トイレシート | キャンプ場のマナーとして当然必須 |
| 迷子札・鑑札 | 万が一に備えて絶対装着。これだけは忘れてはいけない |
| 虫除けスプレー(ペット対応) | 春〜秋のキャンプは虫との戦い。ペット対応のものを選ぶのがポイント |
| いつものベッド・マット | 自分の匂いがついたアイテムがあると驚くほど落ち着く |
荷造りしている最中、友人の柴犬はキャリーケースを見た瞬間に固まっていたそうです。「これ、病院じゃないよね?」という顔。うちの豆柴もキャリーを見ると同じ反応をするので、すごくわかります。
到着した瞬間、匂い嗅ぎモードが暴走した
サイトに着いて車のドアを開けた瞬間、友人の柴犬のスイッチが入ったそうです。鼻を地面に押しつけて、ものすごい勢いで匂いを嗅ぎ始めたとのこと。草、土、落ち葉、石、テーブルの脚、隣のサイトとの境目の柵。とにかくすべてを確認しないと気が済まない。普段の散歩でも匂い嗅ぎは好きなほうですが、自然の中はレベルが違いました。
「先にテント建てたいんだけど……」という友人の都合は完全に無視。20分ほど好きなだけ探索させて、ようやく少し落ち着いてきたところでテント設営に取りかかることにしたそうです。ここで焦ってすぐ設営を始めると、足元をウロウロされてペグを蹴飛ばしたり、ロープに絡まったりして余計に時間がかかります。最初に好きなだけ嗅がせる。これ、柴犬キャンプの鉄則です。
テント設営は柴犬との共同作業になる
匂い嗅ぎが一段落したところでテント設営スタート。ドッグフリーサイトだったのでリードは外していたのですが、これが仇となったそうです。
ペグを地面に並べた瞬間、1本咥えて走り去る柴犬。追いかけると「遊んでくれるの?」とばかりに尻尾を振って逃げる。典型的な「取ってこい」の逆バージョンです。結局、ペグはポケットに入れて1本ずつ出すスタイルに変更したとのこと。
テントのポールを組み立てていると、今度は中に潜り込んで出てこない。半分広がったテントの中でワンモナイト状態になっている柴犬を発見したときは、さすがに笑ったそうです。まだ完成してないのに、もうそこ気に入ったのかと。
区画サイトの場合はリードをドッグアンカーで固定して、行動範囲を確保しつつ設営するのがコツです。慣れてきたら区画サイトにステップアップするのもいいですが、初めてのキャンプはやっぱりドッグフリーサイトが圧倒的に楽だったと友人も言っていました。
夕方のごはんと焚き火タイムが最高だった
設営が終わって夕方になると、ごはんの時間です。いつものフードをいつもの食器に入れて出したのですが、外で食べるごはんはなぜかテンションが違ったそうです。普段は食い渋りがちな友人の柴犬が、ものの30秒で完食。おかわりを要求する目で友人を見てくる。空気がおいしいと食欲も増すのか、犬も人間と同じなのかもしれません。
そして、この日のハイライトは焚き火タイムでした。
火を起こして椅子に座っていると、普段は柴距離をしっかり保つタイプの友人の柴犬が、じわじわと近づいてきて、気がついたら足元にピッタリくっついていたそうです。火には近づかせないようにリードの長さで距離を管理していたのですが、飼い主のほうにはぐいぐい来る。暗くなって少し不安だったのか、焚き火の暖かさが気持ちよかったのか。理由はわからないけれど、普段見せない甘え方にちょっと感動したと言っていました。うちの豆柴も普段はツンとしているくせに、たまにこういうツンデレ柴な一面を見せてくれるので、その気持ちはよくわかります。
ちなみに焚き火の火の粉が飛ぶことがあるので、柴犬と火との距離は最低でも2メートルは確保したほうがいいです。もふもふの被毛は火に弱いので、ここだけは注意が必要です。
夜の柴犬は野生に戻る
就寝時間になり、テントの中にクレートを置いて寝かせようとしたのですが、ここで想定外が発生。夜のキャンプ場は、昼間とはまったく違う音と匂いに包まれます。風で揺れる木の葉、遠くで鳴く鳥、そして何かの動物が草むらを歩く気配。
友人の柴犬は、その気配をひとつ残らず感知して、耳をピンと立てては「フッ」と鼻を鳴らすことを繰り返していたそうです。クレートに入れていなかったら、テントを突き破って飛び出していたかもしれないとのこと。クレートを持ってきて本当によかったと言っていました。
しばらくすると諦めたのか、クレートの中でくるんと丸まって寝始めたそうです。家で寝るときと同じワンモナイトのポーズ。自分の匂いがついたベッドをクレートに敷いておいたのがよかったのかもしれません。
まとめ|想定外こそキャンプの醍醐味
友人いわく、初めてのキャンプは正直言って思い通りにいかないことだらけだったそうです。でも、その「思い通りにいかなさ」が全部おもしろかったとのこと。ペグを奪われたことも、匂い嗅ぎが終わらなかったことも、焚き火の前でくっついてきたことも、全部が柴犬との特別な思い出になったと話してくれました。
話を聞いていたら、うちの豆柴ともキャンプに行きたくなってきました。これから柴犬とキャンプに行こうと考えている方へ。まずはドッグフリーサイトから始めてみてください。予備のリードと飲み慣れた水を忘れずに。そして、柴犬のペースに合わせてあげることが、一番大事なコツです。
柴犬の独特な距離感については「柴犬の「柴距離」入門」で、お出かけ先でのマイペースっぷりは「柴犬のドッグラン事情」でも紹介しています。
