ペットカメラを買ったのは、留守番中のうちの豆柴が気になったからだ。
出かけているときにスマホでリビングの様子をチェックできる。元気にしてるかな、いたずらしてないかな。そんな軽い気持ちで導入した。
まさかあのカメラが、うちの寝室事情を根本から変えることになるとは思わなかった。
別フロアで寝ていた理由
うちは2階がリビング、1階が寝室という間取りだ。
豆柴を迎えたばかりの頃、ベッドの上でおしっこをしてしまうことがあった。シーツを洗い、マットレスを拭き、乾かして……を繰り返すうちに、「慣れるまでは別々に寝よう」ということになった。
豆柴は2階のリビング。私たち夫婦は1階の寝室。
寝る前に「おやすみ」と声をかけて、階段を下りる。それが毎晩のルーティンだった。豆柴も特に騒ぐわけでもなく、静かに見送ってくれていた。だから、大丈夫だと思っていた。
あの夜、カメラに映っていたもの
ある夜、ふと目が覚めた。
理由はない。なんとなく気になって、枕元のスマホでペットカメラを開いた。
暗いリビングが映った。暗視モードの白黒画面。静まり返った部屋の中に、二つの光る目があった。
うちの豆柴が、ソファの上にちょこんと座って、じっとカメラのほうを見ていた。
寝ていない。動いてもいない。暗闇の中で、ただ一人でこちらを見つめていた。
その目が、なんだか助けを求めているように見えた。
隣で寝ていた妻を起こして、画面を見せた。二人で黙ってしばらくその姿を見つめた。あの光景は今でも忘れられない。
うちの豆柴は音や揺れに敏感だ。風の強い夜なんかは、きっと怖くて心細かったんだと思う。それなのに吠えもせず、ただじっと座っていた。
ソファの裏が証拠だった
一緒に寝るようにしてからしばらく経った頃、たまたまソファを動かす機会があった。
裏側を見て、絶句した。
布が破れて、中の綿が飛び出していた。爪で引っ掻いたような跡が何本も残っている。おそらく2週間くらいずっとこの状態だったのに、裏側なんて普段見ないから気づかなかった。
寂しさからやったのだろうか。不安を紛らわせるために掻いていたのだろうか。真相はわからない。でも、あの夜カメラに映っていた光景と、ボロボロのソファの裏を結びつけたとき、胸が痛くなった。
ソファは買い替えた。でも本当に変えなきゃいけなかったのは、ソファじゃなくて寝る場所だった。
今はベッドで家族3人
あの夜をきっかけに、ベッドで一緒に寝ることにした。
最初の数日はやっぱりおしっこしてしまう日もあった。対策として、シーツの下に水を吸収するマットを敷いた。そのまま洗えるタイプだから手間もそこまでかからない。
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 吸水マット | シーツの下に敷く。丸洗いOKのものを選ぶ |
| 寝る前のトイレ | 就寝前に必ずトイレを済ませる習慣をつけた |
| 焦らない | 失敗しても叱らない。慣れるまで待つ |
しばらくすると失敗もなくなった。今ではすっかり慣れて、家族の中で起きるのが一番遅いのはうちの豆柴だ。朝、私たちが支度をしている間もベッドの上でスヤスヤ寝ている。あの夜、暗闇の中で一人きりで目を光らせていた子と同じ犬とは思えない。
共働きで柴犬を留守番させている飼い主さんも多いと思う。留守番自体が悪いわけじゃない。でも、「大丈夫だろう」と思い込んでいるだけで、実は寂しがっているかもしれない。ペットカメラは、その「かもしれない」を教えてくれる。
まとめ|カメラは安心のためだけじゃなかった
ペットカメラは、飼い主の安心のために買った。
でも実際に一番大きかったのは、「犬の本音に気づけた」ことだった。あの夜カメラを見なかったら、今もうちの豆柴は2階のリビングで一人で寝ていたかもしれない。
帰宅したときの「お迎え柴」も最高に嬉しいけれど、朝、隣で寝息を立てている豆柴の寝顔も、同じくらい幸せだ。
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